ライバル兼用後半


静寂に包まれた広い空間。
ネズミ色の壁と、薄緑の地色にモンスターボールをかたどった模様が描いてある床。
白銀灯の光が、部屋全体を青っぽく浮かび上がらせる。

セイジは部屋の真ん中辺りに立っていた。
ある人物を待つために。

シュン。と音を立てて、セイジの正面にある自動扉が開いた。
扉の前にいるのは、セイジが待っていた人物。

「よぉ、もえぎ」
「久しぶりね、セイジ」
21番道路で戦ったとき以来の再会。
「言われた通り、ここへ来たよ」
まっすぐにセイジを見る大きな瞳、真剣な表情。完全にライバルの顔をしている。
正直、セイジはおもしろくない。
(少しはあの時のことを気にしてくれてもいいものを…)
しかし今は戦いに集中する時。セイジは意識を切り替えた。

「早速、始めよーぜ」


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